Пройди свой путь

Эпидемия(Epidemia)中心のロシア語曲翻訳ブログです。

Эпидемия(Epidemia)エルフの手記2/11 試練の時/Час испытания

ロシアのパワーメタルバンド、
Эпидемия(Epidemia、エピデミア、エピジェーミヤ)の
メタルオペラシリーズを訳していきます。

2004年のシリーズ第1作、
「エルフの手記(Эльфийская рукопись, Elven Manuscript)」の2曲目、
「試練の時(Час испытания)」です。

何でもこの曲はアルバムリリース直後に日本のラジオ番組で紹介されたそうで、
もしかしたら日本で一番有名なエピジェーミヤ曲かも知れません。
ちなみにこのアルバム曲には日本語字幕付き動画(2007年再演Ver.)があります。


前史が終わって本編のシナリオが始まります。
エルフの国エニヤを追放されたハーフエルフのデズモンドくんのその後と、
人間の戦士トルヴァリドとの出会いについて。

今作の主人公であるハーフエルフのデズモンドは、
ドラゴンランス」のハーフエルフの戦士タニスと、
異例の若さで<大審問>をパスした魔術師レイストリンを
足して二で割ったような設定です。
この曲の歌詞を初めて解読した時は、
レイストリンが受けた<大審問>なのかと思ったんですが、
魔法アカデミーの卒業試験のことでしょう。
しかし「試験の日」と訳しちゃうとそこだけ一気にゆるくなるので
あえて直訳のまま「試練の時」にしました。

歌詞に登場する「スターム(Стурм)」は
やはり「ドラゴンランス」に登場する人間の騎士スタームのことです。

フェスでやる可能性が高い曲だったのでカタカナルビも書き出してあります。
ひらがなのら行は巻き舌です。歌えるはずなので歌ってください。

 


物語

 エニヤから追放されたデズモンドだったが、だからと言って魔法学の習得を断念したくはなかったし、イルディスからも人間国の魔法アカデミーで勉学を続けるよう勧められていた。新米の魔法使いのデズモンドは、年老いた師たるイルディスの提案を受け入れて、五年のあいだ人間国で魔力の向上と高等魔術の習得に励んだ。ちょうどその頃に隣国との戦争が勃発し、デズモンドは学んできた知識を実践で生かすこととなった。
 戦場にてデズモンドは勇ましく敵軍に立ち向かい、敵の陣営の魔法使い達が発動せんとした破滅の呪文を打ち消した。己の危険すら顧みなかった。その戦でデズモンドは、とある人間の戦士の命を救った。彼の名はトルヴァリドという。 
 自分が命を救われたのだと知ったトルヴァリドは、戦地におけるデズモンドの行動を大いに讃えた。彼は戦が終わるとハーフエルフを訪ねていき、心からの友情を誓った。人間の友人などひとりもいなかったデズモンドは喜んだ。人間にとって混血のハーフエルフとは、ただでさえ不審で距離を置きたい存在であり、おまけに魔法使いとあれば尚更だったのだ。
 デズモンドは人間国の魔法アカデミーで勉学に五年を費やし、魔法使いの資格及び魔法の杖の習得、高等魔法を執り行う権利を得るための試練の時が遂に訪れた。ずっと待ちわびていた時だった。準備も万端だったのだが、試練の日前夜は神経がひどく高ぶってしまい、とても寝付けなかった。

試練の時(Час Испытания)

 朝が来て、ハーフエルフは魔法アカデミーを取り囲む森のそばの家を出た。雄大な古い木々のあいだの小道を歩いていたら何かが聞こえた。うめき声かも知れないその音に驚いて、茂みに踏み入り物音の方向に注意深く近づいていったデズモンドを待ち受けていたのは、木にもたれて座り込む血まみれのエルフだった。恐怖で竦み上がりながらもデズモンドは、それが自分の初めての師であった宮廷付きの魔法使いイルディスその人だと認めた。
 イルディスはどうにか目を開けると、途切れがちな小さな声で、苦痛と嘆きに満ちた物語を始めた。
 エニヤは史上初めて敵に占領された。いや、魔法の丸天井は相変わらず外部の者を通さなかったし、守りの固い峡谷の本道を突破しようとする者もいなかった。真夜中に音もなく、前触れもなく、敵は宮殿近くに突然現れたのだ。
 悪魔を彷彿とさせる集団は、寝惚けていたために何が起こったのか理解する間もなかった守衛達を始末すると、怒号を上げて宮殿に押し入った。周辺の建物はすでに地獄の業火に包まれていて、まだ命のあるエルフの民の悲鳴が至るところから響き渡っていた。その光景の上を、生ける者すべてに恐怖をもたらしながら、巨大な亡霊にも似た翼のある怪物が旋回していた。夜空を背にしてもそのシルエットはなお黒く、あらゆる光を呑み込んでしまうかのようであった。ドラゴンだ。怪物が宮殿のバルコニーに舞い降りると、その背から黒光りする鎧に全身を包んだ男が降り立った。エルフの王は剣を構えてその者に立ち向かった。
 決闘は長くは続かなかった。エルフの王は悪魔の武器に体を貫かれ、殺人者を呪いながら倒れていった。主を救おうとしたイルディスも、黒い騎士の部下に攻撃されて深手を負った。彼に残された道はただひとつ、魔法を用いてテレポーテーションすることだけだった。イルディスは到着地点としてデズモンドを選択し、そのせいで魔法アカデミーの近くに現れたのである。宮殿を離れる前に彼が見たのは、闇の兵士に捕らわれたアラティエリ王女の姿だった。
 イルディスはかつての弟子に、連絡を可能にする魔法のクリスタルを与えた。デズモンドはアカデミーの魔法使い達にイルディスの治療を委ね、この先自分がどうするべきなのか深く思い悩んだ。追放された身ではあれど、故郷を捨て去ることはできない。自分を追放したエルフの王は死んだが、王の娘であるアラティエリは捕虜となりまだ生きている。デズモンドが愛し、いつの日か再び巡り会い共にあれたなら、と望まずにいられなかった女性だ。選択肢はひとつしかなかった。
 最終決断を下してしまうと、他にするべきことはエニヤに行って敵を打ち負かすという「たったそれだけ」であった。イルディスの口から直接話を聞いたデズモンドは、侵略者の力は強大であると正しく理解していた。自分ひとりで勝利を収められる可能性などゼロに等しい。おまけにエニヤまでの道のりは遠かった。デズモンドがまず向かったのは、親友のトルヴァリドのもとだった。戦士の力を借りたかった。


Эпидемия - Час Испытания
Epidemia - 試練の時


Эпидемия - Час Испытания(エピジェーミヤ/エルフの手記02.試練の時)

 

デズモンド:
ついに訪れた
試練の時が
ああ 俺は疲れ果てた
ずっと待ちわびていた

秘められた目的に達するまでの
道のりは遠かった
闇に包まれし
白魔術の真髄

あの音は何だ 苦痛を孕んだ呻き声
微かな声 まるでクリスタルの音のよう
かろうじて命の火が灯っている
俺には言葉が聴こえる:

イルディス:
敵が我らの家を踏みにじる
大地は苦悶の呻きを上げて
玉座には殺人者が座る
悪の現身なのだ
戦争は間近だ
ああ 我々は神ではない
背後に道はなく
行く手には霧が広がる!

デズモンド:
戦争の幻影が
エニヤを包囲する
闇の手中には
俺が愛した彼女

俺は聖人じゃない
闇の砦を打ち破ろうにも
俺は英雄じゃない
スタームでもランスロットでもないんだ

選択肢はひとつだ 今や俺に託された
迷いはすべて背後に置き捨てた
俺は異端者 向かうべき道などない
だが災いこそがチャンスを与えてくれる!

デズモンド:
敵が我らの家を踏みにじる
大地は苦悶の呻きを上げて
玉座には殺人者が座っている
悪の現身なのだ
戦争は間近だ
ああ 我々は神ではない
背後に道はなく
行く手には霧が広がる!


デズモンド:
選択肢はひとつだ 今や俺に託された
迷いはすべて背後に置き捨てた
俺は異端者 向かうべき道などない
だが厄災こそがチャンスを与えてくれる!

イルディス:
敵が我々の家を踏みにじる
大地は苦悶の呻きを上げて
玉座には殺人者が座る
悪の現身なのだ
デズモンド:
戦争は間近だ
ああ 我々は神ではない
背後に道はなく
行く手には霧が広がる!

 


ヴォート・イ・ナスタール
チャース・イスプィターニヤ
オー、カーク・ヤー・ウスタール
アッアジダーニヤ

ドーラク・ブィル・プーチ
(ク)ツェーリ・ザヴェートナイ
チョームナヤ・スーチ
マーギイ・スヴェートライ

シトー・ザズヴーキ、ポールヌィイ・ボーリ・ストーン
ゴーラス・チーヒイ、カーク・フるスターリヌィイ・ズヴォーン
ジーズニ・(ヴ)ニョーム・チェープリッツァ・イドヴァー・イドヴァー
イ・ヤー・スルィーシュ・スラヴァー

(繰り返し)
ヴらギー・(ヴ)ナーシェム・ドームェ
ジムリャー・(ヴ)ムーカフ・ストーニェト
ウビーツァ・ナトろーニェ
オーン・ズロー・ヴァプラチー
ヴァイナー・ナパろーギェ
ウヴィー、ムィー・ニェ・ボーギ
ナザート・ニェート・ダろーギ
トゥマーン・フピェりヂー!

プリーズらク・ヴァイヌィー
エーニユ・アフヴァチール
(ヴ)ラーパフ・ウチムィー
ター・カヴォー・ヤー・リュビール

ヤー・ニェ・スヴィトーイ
シトープ・スヴェるヌーチ・チムィー・アプロート
ヤー・ニェ・ギろーイ
ストゥーるム・イーリ・ランスィロート

(繰り返し)
ヴィーバる・ヤーシェン - オーン・チピェーり・ザムノーイ
フスェー・サムニェーニヤ・ザマイェーイ・スピノーイ
ヤー・イズゴーイ - プーチ・ムニェー・ニェート・トゥダー
ノー・ダヨート・シャーンス・ビダー!


Час испытания


Dezmond:
Вот и настал
Час испытания.
О, как я устал
От ожидания.

Долог был путь
К цели заветной
Тёмная суть
Магии светлой.

Что за звуки, полный боли стон
Голос тихий, как хрустальный звон,
Жизнь в нём теплится едва-едва
И я слышу слова:

Irdis:
Враги в нашем доме
Земля в муках стонет
Убийца на троне –
Он зло во плоти.
Война на пороге,
Увы, мы не боги,
Назад нет дороги-
Туман впереди!

Dezmond:
Призрак Войны
Энию охватил
В лапах у тьмы
Та, кого я любил.

Я не святой,
Чтоб свергнуть тьмы оплот,
Я не герой -
Стурм или Ланселот.

Выбор ясен – он теперь за мной,
Все сомнения за моей спиной.
Я изгой – пути мне нет туда,
Но даёт шанс беда!

Dezmond:
Враги в нашем доме
Земля в муках стонет
Убийца на троне –
Он зло во плоти.
Война на пороге,
Увы, мы не боги,
Назад нет дороги-
Туман впереди!

cоло Bush/Juron

Dezmond:
Выбор ясен – он теперь за мной,
Все сомнения за моей спиной.
Я изгой – пути мне нет туда,
Но даёт шанс беда!

Irdis:
Враги в нашем доме
Земля в муках стонет
Убийца на троне –
Он зло во плоти.
Dezmond:
Война на пороге,
Увы, мы не боги,
Назад нет дороги-
Туман впереди!