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Эпидемия(Epidemia)中心のロシア語曲翻訳ブログです。

Эпидемия(Epidemia)エルフの手記1/11 黄金の竜(インストゥルメンタル)/Золотые драконы (instrumental)

ロシアのパワーメタルバンド、
Эпидемия(Epidemia、エピデミア、エピジェーミヤ)の
メタルオペラシリーズを訳していきます。

まずは1作目、
「エルフの手記(Эльфийская рукопись, Elven Manuscript)」のオープニング、
「黄金の竜(Золотые драконы)」です。インストゥルメンタル


Эпидемия - Золотые драконы(エピジェーミヤ/エルフの手記01.黄金の竜)


シナリオ
前史

 この広大で限りない宇宙のどこか遠く、ひっそりと取り残された世界に、エルフと呼ばれる種族の住まう国があった。その国の名はエニヤといい、北の海へと続く絵画のような常緑の平原に位置しており、南側には登頂不可能な山脈と氷に覆われた絶壁がそびえ立っていた。そうした天然の障壁のみならず、魔法の力も加わることによって王国の守備はより強固なものとなっていた。目に見えない丸天井がエニヤを取り囲み、美しい国に侵入せんと企むあらゆる異種を阻んで、外部の目に触れさせなかったのである。
 エニヤに通じる道は、険しい崖に挟まれた峡谷の底の本道のみだった。魔法の障壁の力もその通路までは届かなかったが、エルフの射手が余所者の目を避けて山陰に潜み、望まれぬ客を常に警戒していた。もしも他国の軍の侵攻に脅かされ、かつ打ち損じのないエルフの矢でもってしても撃退できない場合は、巨大な岩を転がして敵軍の前衛を一挙に埋葬し、それと同時に生存者の行く手を塞いでしまえた。
 エルフという保守的な種族はほぼ不死といってもよく、王が終生(数百年間)国を治めたのちに、王の息子がその跡を継ぐのがならわしだった。自分達を選ばれた種族とみなし、他種族に傲慢な態度を取るエルフは、人間であれノームであれゴブリンであれ、余所者がエニヤに長いあいだ留まることを許さなかった。永住などもっての他である。この楽園を見ることができるのはごく一握りの限られた者達で、それは主にエルフと商売をするノーム国や人間国の商人であり、またエルフの国と友好関係を築き、戦時には同盟を結びたいと望む近隣諸国の使節団であった。
 そのような使節団のひとつが訪問した際に、真っ当なエルフからすればとても信じられない出来事が起こった。宮殿のそばに居をかまえられるほど高貴な身分であったエルフの家系の若い娘が、人間国の大使に同行していた美しくて逞しい騎士に狂おしく恋をしてしまったのだ。その若い騎士もまた、エルフの中でもずば抜けていた彼女のこの世ならぬ美しさに魅了され、禁忌と知りつつも彼女との逢瀬を重ねた。
 使節団の滞在期間が終了すると、恋人達の心が張り裂けようとも、人間の騎士はエルフの娘と別れてエニヤを去らざるを得なかった。それから時が満ち、エルフの娘は男児を生んだ。誰が父親なのかは一目瞭然であった。
 激怒するエルフの王から幼いハーフエルフを庇ったのは、宮殿つきの魔法使いであり王の相談役でもあるイルディスだった。イルディスはこの幼子に魔法使いとしての天賦の才を見出し、情けをかけるよう王に訴えた。エニヤの地で自ら魔法を教えたかったのだ。それはエルフの掟に反していたが、己も娘を授かった直後で気が和らいでいた王は、イルディスの提案を遂に受け入れた。けれどもエルフの禁忌を破りエルフならざる者と結ばれた娘は、エルフの掟に従って王国から追放された。
 エルフと人間の混血であるその幼子はデズモンドと名付けられ、宮殿のそばに住まいを与えられた。成長し、魔法を学び始めた彼は優秀な成績を修めた。小さい頃からアラティエリ王女は彼の遊び仲間だったが、若いハーフエルフと美しい王女の友情は、彼らの成長に伴ってより強い別の感情へと形を変えつつあった。後継者となる孫に汚れた人間の血が混ざりかねない。その可能性を危惧した王が彼らふたりに向けるまなざしは、日に日に険しくなっていった。かくしてデズモンドは、監視下に置かれることになった。
 アラティエリ王女を密かに恋い慕っていたエルフの若い将校が、エニヤでは禁じられている黒魔術を執り行ったとしてハーフエルフを告訴し、王の前で中傷した。イルディスはデズモンドを取り成そうとしたが、王にとってこのたびの直訴はむしろ好都合だった。エルフの王は、ハーフエルフの魔法使いをエニヤから直ちに追放せよと命じた。デズモンドはエニヤを離れざるを得なかった。

 


まだアルバム始まってません。