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Эпидемия(Epidemia)中心のロシア語曲翻訳ブログです。

Evoken Fest 2019 : Эпидемия(Epidemia)3/7 Пьяный разговор(酔いどれの会話)

Evoken Fest 2019、9月1日吉祥寺CLUB SEATA公演のЭпидемия(Epidemia)のセットリストを訳していきます。
今日は3曲目の「Пьяный разговор(酔いどれの会話)」です。

その前に、Epidemiaの代表作であるメタルオペラシリーズについて少々。

2004年のアルバム「Эльфийская Рукопись(エルフの手記)」から始まり、
2018年の「Легенда Ксентарона(クセンタロンの伝説)」まで
現時点で4作リリースされているメタルオペラシリーズですが、
歌詞の他に長文シナリオがもれなくついてくるため、
そちらも併せて読まないと歌詞の意味ははっきり言ってよくわかりません。
(メタルオペラと知らなかった頃に曲だけ訳そうとして「???」ってなった)
元ブログにて2作目まではシナリオ込みで全曲完訳済み、
3作目と4作目も半分以上訳し終えているので、
1作目と2作目の訳を推敲しながら
いずれは4作全部完訳しこちらのブログで公開します。
メリソフさんに「全部訳します!」ってお手紙渡しちゃったから
もうあとには引けないんです……。

今のところは取り急ぎ、歌詞の理解に最低限必要なあらすじだけ紹介させてください。

「Пьяный разговор(酔いどれの会話)」は、
メタルオペラシリーズの3作目にあたる
「Сокровище Энии(エニヤの宝)」に収録されています。2014年リリース。
2作目まではハーフエルフで魔法使いのデズモンドが主人公でしたが、
デズモンド役だった当時のボーカル、
マクシム・サマスヴァートさんが2010年に脱退。
2作目の「Эльфийская рукопись: Сказание на все времена(エルフの手記:あらゆる時代の伝説)」(2007)に
黄金の竜ギルティアス役でゲスト参加していたジェーニャくんこと
エヴゲーニー・エゴーロフさんが正式加入されたことによって、
物語からもデズモンドくん退場、黄金の竜ギルティアスが主役となります。

ところでこのアルバムジャケット、右側のちんちくりんなの何だと思います?

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ドラゴンランス」に登場するケンダーという種族です。
(このメタルオペラシリーズは「ドラゴンランス」がモチーフです)

ケンダー:
小柄で身軽、そして器用な種族。恐れを知らず、好奇心旺盛で、ちゃめっけもあるが、手癖が悪い。
(他人の物でも興味さえあれば)何でも勝手に"借りて"しまう習性がある。
(小説「ドラゴンランス」の表紙カバーそでの「主な種族」の紹介文より引用)

通常時のギルティアスは黄金の竜の姿なのですが、
今作で彼が訪れるエルフの国エニヤのみなさんは
メタルオペラ1作目の「エルフの手記」で
青竜スカイを従えた闇の軍団に侵略されまして、
ドラゴンにトラウマを持つ彼らをいたずらに刺激しないよう、
あえてケンダーの姿に身をやつして登場するのです。
ジェーニャくんが小柄だからってよりにもよってケンダーにしなくとも、と思わなくもなかった。

ケンダー時のジェーニャくん。

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 「エニヤの宝」ジャケのいわば実写版。(ケンダーとノームの長ドログバル)

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 黄金の竜の時は翼があったりマントを翻したりします。

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以下に「エニヤの宝」のあらすじをざっくりと。

メタルオペラの3作目「エニヤの宝」は、
2作目の「あらゆる時代の伝説」における戦いの戦没者追悼の宴から始まる。
クセンタロンからエニヤに誘致された代表団を率いるのは、
ノームの長ドログバルと黄金の竜ギルティアスである。
三日も続く宴に飽きたギルティアスは宮殿の図書館に籠り、
興味深い記述を見つける。
(このシリーズの舞台となる「エニヤ」と「クセンタロン」両国は
そもそも別の星に位置するため、
強大な魔力を必要とする特殊な魔法を用いなければ行き来できません)
太古の昔、エニヤとクセンタロンはとある通路によってつながっており、
盛んに貿易が執り行われていたのだ。
だがある時、エニヤからクセンタロンに発ったキャラバンが戻らなかった。
それ以降、その通路に通じる門は誰にも用いられぬまま朽ち果てていった。

ケンダーに身をやつした黄金の竜ギルティアスは、
真相を突き止めるべく、ふたつの世界をつなぐ「門」があったとされる場所に向かいます。
そこに強欲なノームのドログバルがついてきちゃうんですよ。

(消息を絶ったキャラバンは貴金属を積んでいた)
アルバムジャケイラストはそういうことです。 

今日紹介する「Пьяный разговор(酔いどれの会話)」では、
今や極寒の地と化した「門」周辺の塔で、
ギルティアスとドログバルは謎の魔法使いと出会い、
食卓に招かれ酒を酌み交わしながら語り合い、
「門」の位置を知ってるから案内してあげますよ、と言われます。
でもこの魔法使い、
案内するだけしておいていつの間にか雲隠れしてしまいます。

余談でもないんですが、
「Пьяный разговор(酔いどれの会話)」に謎の魔法使い役でゲスト参加されてるのは、
ロックバンドКукрыниксы(ククルィニクスィ)のボーカル、
Алексей Горшенёв(アレクセイ・ガルシェニョフ)さんです。
実は私、メタルよりもロシアンロックの人でして、
露ロックの中でも特に好きなボーカル、アレクセイさんがゲストで狂喜しましたね。
願わくば映像化されている3作目と4作目の舞台、
「Книга Золотого Дракона(黄金の竜の本)」にも出演してほしかった……。
(声質は似てるが別のミュージカル俳優さんが代役で出ています)
いや同じ年に自バンド解散してるから……。
解散年なのにCDだけでも四作目で謎の魔法使い役続投してくださったの本当優しい……。

「Пьяный разговор(酔いどれの会話)」CD版。


Эпидемия - Пьяный разговор.

 アレクセイさん出演のライブ映像。 


Эпидемия и А. Горшенев - Пьяный Разговор (live in Tallinn 02.11.2018)


エピジェーミヤ - 酔いどれの会話
Эпидемия - Пьяный разговор


ギルティアス:
氷に覆われた闇の塔
長らく誰も住まわなかった
なのに何故灯りが点る?
誰のための食卓なのだ?

魔法使い:
ヘイ! 酒を酌み交わし語り合おう
ありふれた魂のために
カリスマにも乾杯しよう!
懐中の斧は
出さないでくれ セニョール
命について話してほしい!

魔法使い:
古代の魔術師はとうに滅んだ
安酒で身を滅ぼしたのだ
誰とでも盃を交わすものじゃない
エールのジョッキで会話を盛り上げよう

ふたつの世界は門で通じていた
だが何者かによって門は破壊された
私はどうにかその場所を突き止めた
あなた方をそこに案内しよう!

 (繰り返し) 

ヘイ! 酒を酌み交わし語り合おう
ありふれた魂のために
カリスマにも乾杯しよう!
懐中の斧は
出さないでくれ セニョール
命について話してほしい!

ヘイ! 酒を酌み交わし語り合おう
ありふれた魂のために
カリスマにも乾杯しよう!
懐中の斧は
出さないでくれ 泥棒でもあるまい
命について話してほしい!


Гилтиас:
Темная башня закована в лёд,
Много веков в ней никто не живет.
Но для кого свет неярко горит?
И для кого стол богато накрыт?

Колдун:
Хэй! Пьяный разговор -
Для души простор,
И немалый плюс к харизме!
За пазухой топор
Не держи, синьор,
А поведай мне о жизни!

Колдун:
Древние Маги погибли давно,
Их погубило плохое вино,
Мы что попало с гостями не пьём,
За кружкою эля беседу ведём.

Хэй! Пьяный разговор...

Соло: Процко/Мамонтов

Колдун:
Соединяли два мира врата,
Но кое-кто их разрушил тогда.
Мне кое-что удалось отыскать,
И я готов это вам показать!

Хэй! Пьяный разговор -
Для души простор,
И немалый плюс к харизме!
За пазухой топор
Не держи, как вор,
А поведай мне о жизни!